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309 :第三帝国:2012/08/01(水) 17 52 30 【星界の紋章×銀鬱の変則的クロス】ネタ外伝~痛頭環 宇宙での生存に特化した人工種族アーヴは、 『空識覚』に『宿命遺伝子』と通常の人類には備わっていな特殊な感覚を備えている。 特に『空識覚』は額にある菱形の『空識覚器官』と、 脳の前頭葉に位置する『航法野』と呼ばれる領域が、『頭環』を頭に備えることで周囲の空間情報を三次元的に把握することができる。 そして、それを応用すると宇宙船の周囲を空識覚で直接認識することができるようになる。 操縦者自身が艦艇の生体レーダーと全方位カメラになるようなものであり、状況に応じた迅速な操艦を可能で、 対Gへの耐性の強さと相まって同盟で言う所のスパルタニオン以上の機動力を駆逐艦でも再現可能だ。 この能力はアーヴという種族最大の特徴であり特別な地位にある。 ゆえに、『頭環』は必需品であると同時に各社会身分を象徴する装飾品として扱われた。 例えば公用、私用、軍用、式典用などと体系を分けることができる上に、体系あたりの数と種類は極めて多い。 その中でも際立っていたのは何と言っても『痛頭環』であろう。 『痛~』とはいわゆるアニメや漫画のキャラクターの姿を車や飛行機、電車の車体に塗装を行うなどして装飾し、改造することを指す。 人々はそれに呆れ、心に受けた驚きを込めて『痛い』と表現して、『痛~』という単語が誕生した。 そして日本発祥の文化はその派手さと奇抜な姿形と相まって常に人々を引きつけて、魅力してきた。 幾星霜の時が過ぎ去り、姿形はすっかり変容してしまったが日本人のこの文化は失われておらず。 いや、姿形が変わったがゆえに日本の文化を守るように、『痛~』と成りうる題材を見逃すはずもなく延々と追及し、痛頭環は進化し続けた。 初めは、軍の階級を示す片翼頭環がガンダムの通信用アンテナに似ていたためこれを金色に染めるだけだった。 しばらくすると、ジオン風と称して縦長の一本の赤い角型頭環が出回り『痛頭環』と呼ばれる単語が生まれ、 (なお、後日大手メーカーが製作会社とタッグを組んで売り出した『ガンダムシリーズ頭環』は世間の流行を巻き起こした) 一度画期的なアイディアが広まるとその真似と応用が続くことはこの世の中の真理である。 ゆえに、様々な題材を元に幾万もの痛頭環が作ら、それを完全に把握することは極めて難しい。 何せ運命の夜シリーズのヒロイン、セ○バーの髪を模した『アホ毛型頭環』があるほどだ。 なお近年では、覆面と一体化した頭環が出回っていると報告されている。 はっきり言って『頭を囲う』機能からいささかずれつつあると言える。 覆面型痛頭環をしている有名な人物として厨二大王こと富永中将は、 シャア・ア○ナブルのヘルメットを模したものを始め、全ガンダムシリーズで登場した覆面キャラの痛頭環を揃えているので有名だ。
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10: 333 :2017/01/29(日) 15 05 57 フローデ達の憂鬱 番外編 帝宮訪問 皇紀4954年 ケンルー ジントは修技館の寮で休んでいた。 椅子に座ってため息をつく。最近忙しかったからだ。 ライシャカル・ウェク・ソーダル・クリュブ クリューヴ門沖会戦は帝国の勝利だった。敵は壊滅し、逃げ去っていったという。 勇壮な突撃で一時は追い詰められたものの、レンド提督の指揮で逆に包囲殲滅した。 エーフ そのような内容の情報が思考結晶網に流れていた。 僕はなぜこんなに速成教育されなければならないのか。疲れもあって愚痴じみた考えが浮かぶ。 ラブール 修技館からの卒業生で足りなければ予備役を招集すればいいだけなのだ。星界軍の予備役は大量にいるのだから。 アーヴの人生は長い。200年から300年も生きる彼らは大抵の場合、一つの業種に人生を捧げるということはしないのだ。 数十年の間一つの業種に勤めては別の業種に移る。それはアーヴ社会自体が硬直化するのを防ぐために必要な措置だからだ。 そして大抵のアーヴは軍士を経験する。さらに生粋のアーヴは肉体的な衰えというものに無縁だ。これが何を意味するか? すなわち星界軍の予備役には、別の職業に就いているものが少なくとも億の単位でいるのだ。 ボスナル いざとなれば殆どが専門的訓練を積んだ軍士として復帰できる。これこそがアーヴ最大の強みである。 彼らが現代の遊牧騎馬民族と呼ばれるのはこのあたりに理由がある。民族を構成する殆どが士官同然の働きができるのだ。 ウィクリュール そういうわけで今ラクファカールでは大量の、そう本当に大量の軍艦が建造されていた。 その規模たるやジントが思わず頼もしさより不安を感じてしまったほどだ。 これでまだ再建途中というのだから、アーヴには数を数える天才的才能があるのではないかとジントは思う。 あまりにも多すぎて、数を数えるのが馬鹿らしく思えるくらいなのだ。 「うん?通信…。」 クリューノ ふと気がつくと手首の端末腕輪が主人に通信が来ていることを知らせようとしていた。 表示されている名を見てジントは思わず顔をほころばせる。 ラフィールからの通信だった。 「やあラフィール。どうしたんだい?」 『なんだジント。せっかく私から連絡をよこしたのに、気の利いた言葉の一つや二つくれてもいいだろう。』 思わず苦笑する。僕はどうもそのあたりが鈍いようなのだ。 しかし久しぶりに聞いた彼女の声に安心を感じるのも確かだった。 忙しさから、最近はラフィールとあっていなかったのだ。 「ごめんごめん。僕も君と話せてうれしいよ。それで何か用事かい?」 『ああ。今度の休み、一緒にどこかへ行かないか?』 休み、の言葉に少し考え込む。 今の所休みはあまりない。数少ない休日も、他の用事で埋まっていた。 しかしせっかくのラフィールと会う機会。なんとか時間は作れないだろうか。 考えた結果、ジントは友人達との予定を少し早めに切り上げることにした。 いつも付き合わされているんだ。これくらいは許してもらおう。 「ああ、いいよ。それでどこに行くか決めているのかい?」 ルエベイ 『うん。帝宮に行きたいと思っている。』 11: 333 :2017/01/29(日) 15 07 07 ルエベイ スピュネージュ 帝宮は言うまでもなく皇帝の住むところである。 フリューバル しかし同時に帝国の行政を司る役所でもある。 これほど広大な版図を治めるのには巨大な施設が必要になるのだが、帝宮はそれを可能にする。 端的に言ってしまえば、帝宮は大きいのだ。 巨大、広大、絶大。どんな言葉を使っても言いきれないほどである。 元はと言えば八つもの都市船だったのだ。 それら一つ一つでさえ、人類が生み出したいかなる建造物よりも大きなものだったのに、さらに八つを結合させてその上千年に 渡って拡張を続けてきたのだ。 皇帝の住居に各種役所、そこに勤務する人々の居住施設に娯楽施設。庭園から湯殿、遊技場に宝物庫。 ナヘーヌ それらを合わせて詰め込んでもまだ余る。地上世界の大規模都市を丸ごと収めてなお一般人に開放するだけの区画がある。 ゲーセル・クリュブ ジントとラフィールはそのうちの一つ、樟日神社に来ていた。 「宇宙空間にこんなに大きな森があるなんて…。」 「そなた、アーヴであろ。そんな地上人むき出しの事を言うな。」 深い森の中でつぶやくが、ラフィールにいつも言われていることを繰り返されてしまう。 ジントは苦笑して、そばの木に手をつく。ごつごつした木肌は経てきた膨大な日々を無言の内に物語っている。 天井から降り注ぐ光は人工のものだが、それを覆い隠す樹冠で薄暗い。 大きな洞を持つ大木。木々の陰からのぞく動物達。足元の草葉を鳴らすのは虫だろうか。 「このあたりは基本的にアブリアル星系に根を下ろしてから拡張した空間だからな。木々も若いだろう?」 「ごめん聞き間違いかな。今僕の耳にはこの大木たちが若いって聞こえたんだけど。」 深い樹海の中。耳の尖ったアーヴは、魔法としか思えない超科学を操るにも関わらずこの自然に溶け込んでいた。 こうしてみるとまるで御伽噺に迷い込んだようだ。アールヴみたいだな、とジントは何度目かの感想を思い起こす。 空気は荘厳で、薄闇の向こうには人知を超えた何かを感じる。 アーヴならこういうときに、神を感じるというんだろうなと思った。 「うん?若いぞ。なんせ千年も経ってないのだからな。」 ジントは思わず絶句する。 千年という月日を短いと思うアーヴの時間感覚はやはりおかしい。 流石は五千年続く帝国。マーティン人には想像もできないほど長い歴史を歩んできたのだろう。 二人が暫く歩くと一際巨大な大木が見えてきた。 リムダウ キュムネー 白い注連縄が巡らされているのを見ると神木らしい。 バーシュ 「これがクリューヴの神木だ。軌道都市クリューヴが作られたとき、一緒に植えられたのだ。」 12: 333 :2017/01/29(日) 15 07 57 「これが…。」 思わず見上げる。しかし下からでは頂は見えず、首が痛くなるばかりだ。 クリューヴが作られたとき。それはつまり二千年前ということだ。 この木は二千年もの間、生きてきたことになる。 つまり現状最長老の生物の一角なのである。 「我らは建造物を作ったとき、必ず一本の木を植える。だからアーヴは木と共に育つのだ。」 見上げるラフィールの目に浮かぶのは郷愁か、畏怖か。 ジントにはそれが言葉で言い表せないものに思えた。 大木が連なる樹海の中でも一際大きな神木。 どんな生物よりも長く生きてきたそれが、生物としての本能を、畏怖の感情を呼び起こす。 ああ、とジントは唐突に理解した。 アーヴはこれを神と呼ぶのか。 アーヴ 「人は我らを長寿だと言う。だが我ら自身そう思うことはない。…天人として生まれ、そして死ぬまでの生の何倍も木は生きる のだからな。」 人間もアーヴも、等しく見下ろす歳月という神。 ラフィールはまるで木に宿る精霊のように、生気に満ちていた。 ガノトゥード きっとこれが、アーヴの種としての根源なのだろう。大和人の精神の根幹なのだろう。 より長く続いてきたものに敬意を払い、自らもそうあろうと努力する。 フリューバル 帝国自体がその結晶なのだ。 「アーヴの寿命は所詮300年。だがこの木は2000年、そして帝国は5000年。我らはこれを背負っていかねばならぬ。 子孫のために、未来のために、現在につなげてくれた過去の者達のために。」 ファサンゼール それはきっと皇族としての決意なのだろう。 フィズ・アブリアルサル 彼女もまた天照の一族の一員なのだ。 13: 333 :2017/01/29(日) 15 10 48 投稿は以上です まとめwikiへの転載は自由です もしかしたら後で続きを書くかもしれません
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登録日:2010/11/19(金) 12 21 05 更新日:2023/05/18 Thu 13 25 25NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 90年代テレビアニメ 99年冬アニメ SF ささやかな戦い アーヴ スペオペ スペースオペラ 創作言語 変人 帝国の王女 幻想園 恐怖のわんぴーす 星界 星界シリーズ 星間戦争 森岡浩之 棺桶 異郷への帰還 監禁 星界の紋章は森岡浩之のSF小説。全3巻。続編として「星界の戦旗」(既刊6巻)、番外編の短編集として「星界の断章」(既刊3巻)がある。 以下人物説明とネタバレ。 【登場人物】 ○ジント CV 今井由香 惑星マーティン出身。17歳の茶髪の少年。故郷がアーヴに侵略された際に、父の工作によってアーヴ貴族入りした為、地上人ながらアーヴとして生きなければならなくなる。 爵位を嗣ぐ為に軍に入らねばならないので、帝都ラクファカールに向かう巡察艦ゴースロスに乗ることに。 正式にはリン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵公子・ジント。陽気だが複雑な自身の境遇から割とシニカルな物言いをする。人当たりがよく温和。協調・順応性が高いが、弱気になったラフィールを叱りつけるなどの芯の強さもある。 また『紋章』エンディングでは「売国奴」である父への反感から故郷で反乱が起き父が死亡。その後跡継ぎとして伯爵となるも、『戦旗』では反乱側との和平条件として二度と故郷に戻らず内政に干渉しない事になった。 「半径一○○光年で信頼できるのはそなたしかいない―ぐらいはいってくれてもばちはあたらないだろうに。とことん可愛くないなぁ」 ○ラフィール CV 川澄綾子 ヒロイン。16歳のアーヴの少女。 巡察艦ゴースロスに乗っていた翔士修技生(平たく言えば見習い軍人)でジントを迎えにくる。実は現在の皇帝の孫娘。正式にはアブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール。アーヴでは知らない者はいないので自己紹介は省く。しかしジントは出自の為、全く認識しておらず、彼女の名を尋ねて以降お互いに名前で呼び合う関係になる(後にジントは「無知と幸運のなせる業」と評する)。 レクシュから受けた任務のため護衛として艦から出た後はジントと行動を共にする。 目鼻立ちが美しく、黝い髪。尖った耳を持つ。性格はツンツンしていて怒りっぽい。だがそこがイイ。 「ラフィールと呼ぶがよい!」 ○レクシュ百翔長 CV 高島雅羅 巡察艦ゴースロスの女性艦長。初対面のジントですら「親切」と伝わる真摯で誠実な人柄。アーヴ貴族についてジントに心構えを教えた。 艦が何者かに襲われる前にジントとラフィールに航行日誌を預けて逃がす。実はラフィールの遺伝子提供者(平たく言えば母親)。 「まだ蕾のうちに散らせてなるものですか」 ○フェブダーシュ男爵クロワール ジントとラフィールが連絡艇を補給する為に訪れたのが彼の領地。 地上出身の父を許せず監禁し、使用人を全て女性で囲み夜の相手に、挙げ句の果てはラフィールとセクースして自然受胎(アーヴは人工子宮が一般的)させて皇族になろうとする作中屈指のネタキャラ。監禁男爵。おまけにCV 子安…。 「知るか、馬鹿!」 ○フェブダーシュ前男爵スルーフ CV 麦人 息子と違い飄々とした好好爺。ジントとラフィールを助ける。境遇の似たジントには人生のアドバイスも。 「おまえさんとつきあうと、健康に害がありそうに思えるのはなぜじゃ?」 ○マルカ・ミン・葬儀屋・ビル・ダスワニ CV 日野由利加・世田壱恵・高木渉・久賀健治・天田真人 反帝国クラスビュール戦線の面々。リーダーがマルカ。ミリタリーコレクターがミン。不幸体質が葬儀屋。飛ばし屋がビル。無口なダスワニ。 「祈るのよ」 「入手にはたいへん苦労したのだよ」 「むかしな、二階から茨の茂みに飛び込んだやつがいたんだ」 「引き離しているぜっ」 「このほうが、ずっと、速い」 ○エントリュア CV 石塚運昇 ルーヌ・ビーガ市警。カイトと組んで不時着した船の乗組員を探している。警察と軍隊の違いを心得ているお方。 カッコいいおっちゃんで、地味にいい仕事をする。最後は統合体に反感を持ち、オレ○ジのように全力で見逃す。 「訊かれなかったからな」 ○カイト CV 池水道洋 人類統合体の憲兵大尉。遺伝子をいじるのを良しとしない統合体側で、シレジア不老族と呼ばれる遺伝子に処置をした者の家系である。 迫害や冷遇をされて来たせいもあってアーヴに凄まじいコンプレックスを抱いている。ネタキャラ2。 「アーヴに逃げ道はありません」 ○トライフ提督 CV 小杉十郎太 派手な戦いをしたがるスファグノーフ門沖会戦の星界軍司令官。 しかし実際優秀で引き際や道理も心得ている上に何より強い。彼と副官カヒュールの善後策の問答は漫才のようで人気がある。 「情報局の連中はまさに猫の餌係にうってつけである!」 ○スポール准提督 CV 深見梨加 作中の人気人物で、かなりの自信家。門沖戦では偵察(ただし前に「強行」とか「威力」とか付いてもおかしくないぐらい攻撃的)分艦隊司令官の女傑。戦争をしているなかで平然とあくび+鼻歌+「退屈」発言をする。 実力もあり蹂躙が得意。性格もSで、ネチネチいじめるのが好き。ラフィール曰く「陰険なスポール」と「性格のいいアブリアル」はソリが合わないのだとか。こちらも副官クファディスとの掛け合いが人気。 「あなたバカなの?」「それともバカのふりをしてるの?」 ○ディアーホ 帝宮で飼われているネコ。ホーリアの娘のザネリアの息子。後にジントが飼う。 ラフィールは遺伝子提供者を知りたがったが、父ドゥビュースは「出生の秘密があった方が子供の人格が豊かになる」と拒否。 しつこく尋ねるラフィールに彼が連れて来たのは飼いネコのホーリア。もちろん冗談だがラフィールは一晩中、自分がネコの子供と思って泣いた。 …と言うエピソードからディアーホをラフィールの甥と呼ぶこともある。 作品内ではアーヴ語という創作言語が設定されており、独特の世界観を醸し出している。以下少々紹介。 【アーヴ語】 平面宇宙〜ファーズ アーヴが発見した宇宙。平たく言えばワープゾーン。出入口を門〜ソードと呼ぶ。この中に入る艦は時空泡〜フラサスに包まれなければならない。じゃないと死ぬ。 端末腕環〜クリューノ 携帯兼パソコン兼3Dテレビに熱源探知、果ては軍用だと救難信号まで出してくれる未来型チートツール 桃果汁〜ティル・ノム ラフィールの代名詞。ピーチジュース。彼女はこれを熱くして檸檬〜ロープを浮かべて飲む。作者が「ラフィールの味覚が変わっている」という設定で書いたが実際飲んでみると意外とイケるらしい。 ばか・愚か者〜オーニュ ラフィールの最終兵器。これを言われると余りの愛らしさに反論出来なくなる。かわいいなぁ。 【用語解説】(戦旗にて確認出来るデータも含む) ◎アーヴ ざっくり言えば人類に似た種族。元は人類(日本系)によって生み出された遺伝子改造実験体だった。 額に空識覚器官〜フローシュをもち、脳には航法野〜リルビドーがある。 頭環〜アルファを媒体にしてレーダーのように対象を認識することが可能で、だるまさんが転んだにきっと強い。宇宙船を動かせるのもこれらのおかげ。 20歳ほどで成長が止まり老けない。平均寿命が250歳と長生きする。つまり大量のピチピチしたジジバb)…ラフィールが怒って筆者は一陣のプラズマ〜グノーになりました。酒に強くどんなに飲んでもホロ酔い程度。 結婚という制度を持たず、一人の親から子供が産まれる。子供を作る際は、人から遺伝子をもらったりクローンを子供にしたり他人の遺伝子をごちゃ混ぜにしたり。その上で遺伝子調整を行う。 その際にその家系の身体的特徴(家徴〜ワリート)や性格が出やすい。と言うより、むしろ出すことに意義を見出だす。 人類と袂を分かってから2600年もの時間経過や、他と隔絶された生活を長く送ったせいで、現代人とは価値観が激しく解離している。 皆美形、髪が青いなどの特徴がある。 他国家系に「アーヴその性、傲慢にして無謀」と恐怖される。 ただ同時に古(誕生時)の伝統を残していこうという文化もあり、「星界の断章」では伝統の「眼鏡っ娘」体質を代々受け継ぐ一族やBL同人誌即売会がアーブ内に存在することが語られている。 なお第二部「星界の戦旗」は続編が長らく出ないままであったが今年三月に五巻を発売することが決定した。 でもこれで第一部終了だそうで… 2018/09/05に「星界の戦記」の六巻が発売された。 追記修正宜しくお願いします。 「Wiki篭りその性、追記にして修正」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- コメント欄 アニメを見たが、 タイタニアもヤマト2199の大先輩な話だった -- 松永さん (2013-10-01 01 27 04) …人類統合体 クズすぎ 正に吐き気を催す邪悪な民主主義 -- パキスタン (2013-11-09 20 30 23) クファディスさんほんと好き -- 名無しさん (2014-02-09 02 55 03) ちなみに3/19に断章3巻出るそうです(宣伝) 単行本は紋章3、戦旗5、断章3の合計11冊かな、あとガイドブックとか色々あるけど -- 名無しさん (2014-03-08 01 55 47) どうせ第二部が出るのに10年掛かったりするんだろ -- 名無しさん (2014-10-21 12 48 55) 一応アーヴ語は日本語(を『純化』した人工言語)の子孫って設定だけど何がどうしてこうなった感がすごい -- 名無しさん (2018-05-30 13 40 11) 年齢を尋ねることが何で失礼になるの?って言ってたから多分怒らないと思います -- 名無しさん (2018-10-19 12 13 57) 最近のラノベや同人誌に毒されすぎだと思うけど 日本人が現れたら絶対服従するのかなって妄想しちゃう -- 名無しさん (2018-10-24 23 00 46) 第二部最初の巻、第六巻が2018/9/5に発売された。順調に続編が発売されるといいな。 -- 名無しさん (2019-08-06 22 12 07) 戦旗6巻の後書きで「ジントももう若いというには微妙な歳(意訳)」ってぶっちゃけたの笑った。 -- 名無しさん (2020-09-30 12 53 44) ↑3 そもそも自分たち作った日本人のコロニーぶっ壊すガンギマリ民族やぞ -- 名無しさん (2023-05-18 13 25 25) 名前 コメント
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278: 333 :2017/01/06(金) 22 10 07 フローデ達の憂鬱 人類統合体が侵攻して数日が経ったが生活にあまり変化はない。ジントにとってはだが。 「ふぁ~…眠いわ。」 しかしレクシュにとってはそうでもなかったらしい。はしたなく大口をあけて欠伸をしている。 眠そうな顔で目が充血していても意地でも欠伸を我慢していたがとうやら我慢できなくなったらしい。 「君は眠くないのかい?ラフィール。」 しかし傍にいるラフィールはあまり眠そうにはしていない。ということはアーヴだからという訳ではないようだ。 サーラン 「ああ、母は無重力派だからな。重力があると眠れないんだ。」 聞くとアーヴは寝るとき重力下で寝るものと無重力下で寝るものがいるらしい。どうやらレクシュは後者だったようだ。 なるほど、空間種族ならではの習慣だな…と納得したところでジントは新たな事実に気が付いた。 「ってレクシュさんがラフィールのお母さん!?」 「おぬしその驚き芸好きだな…。」 心外である。僕は芸人じゃないというのに。 『…のようにアーヴは人類が文明を持ってからずっと人類共通の敵であり続けたのです。』 壁の映像から人類統合体の宣伝放送が流れてくる。侵攻されてからずっとこの調子だった。 「こんなに怖がらなくてもいいのに。まるで私たちが悪魔みたいじゃない。」 レクシュが長椅子にもたれかかってそれを見ている。 「仕方がないんじゃないでしょうか。なにせアーヴは太陽系を滅ぼした…と思われているんですから。」 誤解でここまで怖がられちゃたまらないわと言いつつレクシュは去っていった。朝餉をもらいに行ったのだろう。 『一度は人類が団結して彼らを追いつめました。しかしアーヴはそのときついに自分が人類でないことを暴露したので す。青い髪と宿命遺伝子はその証左でもあります。』 報道はずっと嘘を垂れ流している。 それにしたって同じ内容ばかりじゃなくてもいいじゃないかと思うのだが。 こんな宣伝ばかりだと逆に聞き流されるだけだ。 「全く嘘っぱちばかりでいやになるね。アーヴが追いつめられただって?笑っちゃうよ。」 ジントは一笑に付したのだが、ラフィールはそうではなかった。なにやら真剣な顔をしている。 「…いや、嘘ばかりではない。事実我らの先祖は追いつめられたのだ。」 「なんだって?本当かい?歴史上アーヴが戦争に敗れたことなんてないって習ったんだけどなあ。」 アーヴの先祖は太陽系すべてを敵に回し、最後には太陽系ごと滅ぼしたと聞いていた。 「それは誤解だ。…誤解なのだ。我々は逃げるつもりなどなかった。見捨てるつもりなどなかったのだ。」 敵対者を根絶やしにするため太陽を爆発させた。アーヴは常々それを誤解だと言ってきたが耳を貸すものなどいなかった。 なによりその後の対応が犯人としての信憑性を高めていた。 「世界を敵に回して戦った時、彼らが言うように我らは追いつめられていた。もはや敗北など免れないほどに。」 それは重い言葉だった。アーヴにとって強い後悔になっているのだろう。 「だから遠くで再起を図ろうとしたのだ。いつか我らが故郷に戻るつもりだった。」 その言葉にジントははっとした。太陽系爆発から生き延びたのは8つの宇宙船に住んでいた者たちだけ。 すなわち故郷には敵だけでなく、同胞もいたはずなのだ。 「だがまもなく太陽が爆発した。慌てて帰ったが…生存者はいなかった。だから我らは誓ったのだ。」 その先はさすがに予想がついた。ジントも名は知っていたからだ。 「青の誓い。悲劇を忘れぬために髪を青くすること。そして二度と同胞を見捨てぬために宿命遺伝子を刻むこと。」 人類統合体の宣伝放送はまだ続いている。こんな話をしているのに、消すべきかとも思うのだが。 しかし話に飲まれ、それどころではない。映像はついたままだ。 『…つまりまさしく宿命遺伝子とはアーヴが民主主義を担う人類ではなく昆虫的非人類種族であることの証明なのです。』 「だからこそ我らは同胞を見捨てぬ。組織の為に、国の為に死ぬことを厭わぬ。それこそがアーヴの、同胞の為なのだからな。」 279: 333 :2017/01/06(金) 22 11 05 クー・ドゥリンは悩んでいた。 これは非常に珍しいことである。彼自身、それを自覚していた。 脳みそまで筋肉でできていると言われるほどミンチウ馬鹿の彼は今まで物事を深く考えるなどしてこなかった。 それがここまで悩んでいるのはジントが連れてきたアーヴが人間とはどうしても思えなかったからだ。 ドゥリンはジントのことは守りたいと思っている。 身分的にはアーヴであろうとも、彼は人間だし何より親友だったからだ。 しかしアーヴ達についてはそうは考えられなかった。 ドゥリンはアーヴのことをよく知らないが、今置かれている境遇が決して楽観できるものではないのはわかった。 しかし彼らとくればどうだろう?泣き言一つ言わず、それどころか嫌っているらしい地上に落とされても国の為に戦お うとしている。 ドゥリンにはどうしてもそれが受け入れられなかった。 国など、自分たち民衆を搾取するだけの存在だ。そんなくだらないものの為に戦おうなど、理解できなかった。 しかしだからといって治安警察にそれを通報するのもできない。 治安警察がジントだけを見逃してくれる訳がないからだ。 「ドゥリン。ドゥリン?」 気付くとジントに呼ばれていた。 「ん、どうした?」 「誰かが来てるみたいだけど…。」 怪しまれないため、来客はこの家の人間が対応することにしていた。 どうやら呼び鈴が聞こえないほど集中していたようだ。 どうやら俺はおかしくなっちまったらしい。 そう考えながら玄関を開けると、見慣れない恰好の男がいた。 「どうも。治安警察です。」 280: 333 :2017/01/06(金) 22 13 21 「ようやく追いつめたぞ。まったく手間をかけさせる。」 キレーフ・ゴル・ガンボス 山本の黒瞳を輝かせてガンボート提督はつぶやいた。 逃げた敵を追いに追い、ついにヴォーラーシュ門まで来たのだ。 もう敵に逃げ場などない。仮に逃げたところで補給のあてがないのだ。 ベーシュ この短期間でヴォーラーシュ星系の反物質燃料工場まで接収し補給を済ませたのはたいしたものだが、この先には星界 軍の軍艦が向かっている。 ホクサス スノール 「機雷をたんまり打ち込んでやれ。何、補給は久野村がなんとかしてくれる。」 まもなく機雷が分離していき、敵を蹂躙する。 彼我の戦力差は圧倒的だ。これだけでも撃破には十分だがまだ足りない。 ヤドビュール・アシャム 「突撃分艦隊、突撃せよ。敵には一片の情けもかけるな。それが奴らのためでもある。」 ゲール レスィー 攻撃型駆逐宇宙艦(帝国でいう突撃艦)が必死に宇宙巡洋艦(同じく巡察艦)を守るが、多勢に無勢。 次々駆逐されていき、感情なき宇宙船は後方の敵を狙う。 「自分がされて嫌なことは他人にするな。戦場で敵に情けをかけられるなどという屈辱は味わわせずに殺してやれ。」 突撃艦が敵陣を切り裂き、巡察艦が殲滅する。 戦いは一方的だった。 ヤドビュール・ウセム 「第5から第12までの偵察分艦隊は敵側面から包囲しろ。一隻も逃すな。」 サールン ガンボートは指揮刀を振って、命令を出す。 ライシャカル・ウェク・ソーダル・ヴォーラク この日行われた戦闘はヴォーラーシュ門沖会戦の名で後世呼ばれることになる。 その戦史上の評価は史上稀にみる蹂躙戦、というものだった。 281: 333 :2017/01/06(金) 22 14 07 投稿は以上です まとめwikiへの転載は自由です
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ロボパーツ一覧(五十音順) HD(ア行~ナ行 / ハ行~その他) BD(ア行~ナ行 / ハ行~その他) AM(ア行~ナ行 / ハ行~その他) BS(ア行~ナ行 / ハ行~その他) LG(ア行~ナ行 / ハ行~その他) HDJ AMJ BSJ LGJ コンバージョン 武器・その他 手持ち武器(メイン / サブ) 内蔵武器(メイン / サブ) チューニングパーツ AURAカートリッジ ボイスメモリ エンドガラティーン(End Gallatin) スペック レビュー長所 短所 コメント エンドガラティーン(End Gallatin) スペック 通常版 アイコン 入手場所 入手方法 価格 ランク 階級制限 カスタマイズ制限 AURA ガチャセンター マニモdeガチャマニモdeガチャSP R-6 - ジーウェイン・アーヴAM,AM5固定 ENリカバリーLv2フレイムコートLv1 手持ち版 アイコン 入手場所 入手方法 価格 ランク 階級制限 AURA ラボラトリー 合成 140,000C$ R-5 ENリカバリーLv2フレイムコートLv1 ウェポン性能 通常版 AURA発動前 系統 Type サイズ 重量 格闘 属性 ダメージ コンボ数 EN 遅 凍 強化 PVP ソード、ブレード、スレイヤー系 SWORD LL (57.0t) - 火炎 250~300~350~450 1 120 - - - +25% AURA発動時 系統 Type サイズ 重量 格闘 属性 ダメージ コンボ数 EN 遅 凍 ソード、ブレード、スレイヤー系 SWORD LL (57.0t) - 火炎 330~750~900~1150 1 200 - - 手持ち版 AURA発動前 系統 Type サイズ 重量 格闘 属性 ダメージ コンボ数 EN 遅 凍 強化 PVP ソード、ブレード、スレイヤー系 SWORD LL 40.0t 184 火炎 450 1 120 - - 6 +25% AURA発動時 系統 Type サイズ 重量 格闘 属性 ダメージ コンボ数 EN 遅 凍 ソード、ブレード、スレイヤー系 SWORD LL 40.0t 184 火炎 1150 1 200 - - レビュー ジーウェイン・アーヴとジーウェインSC?が装備しているソード系武器。 青いエネルギーの刃を持つ巨大な長剣。AURAに対応しており、発動すると大幅に性能が上がる。 通常版はジーウェイン・アーヴAM?及びAM5の固定装備となっており、取り外すことは出来ない。 内蔵武器のように威力が変動する。 挙動は回転斬りで、飛行中は横斬り。コンボ可能で、2段目も同モーションで攻撃する。 攻撃時のエフェクトが橙~青のグラデーションがかかったものなのが特徴的。 AURAを発動すると刃が赤色になり攻撃力が上昇する。 また、攻撃時のエフェクトが武器に沿った赤い剣閃に変わり、攻撃範囲が広がる。 なお、このエフェクトは色が薄く、背景によってはかなり見づらい。 分かりづらいが、武器自体もほんの少し大きくなる。 AURA前は見た目からビーム属性に思えるが、実際は両方火炎。 2017年に性能が数回上方修正された。 4月6日のアップデートで威力が変更され、最大威力が上昇。 AURA前:110~250~310~350 → 250~300~350~450 AURA時:330~750~930~1050 → 330~750~900~1150 また、AURAチャージ時間短縮に対応するようになった。 4月13日のアップデートでAURA中に攻撃時にスタン無効となるスーパーアーマーが追加。 5月11日のアップデートでAURA中どこに当たっても同じダメージが出るようになった(稀にカス当たりになることはある)。 2017年4月13日のアップデートでアーヴAM5を元にして作成可能な手持ち版が追加された(AM1からは不可能なので注意)。 通常版と異なる点は以下。 重量と必要格闘値が追加 威力が通常版の最大値で固定 刃の色が通常時は緑、AURA時は橙になっている。合わせて通常時のエフェクト色が白~緑に(オーラ時は同じ) 名前の元ネタはガウェイン卿が持つ剣「ガラティーン」。 アーヴのベースと思われるジーウェインAbusoluteが持つものは名前がそのままだった。 また、元々は実体剣だったが、こちらではエネルギー刃に変わっている(形は同一)。 長所 AURA時の攻撃力が高い。 また、AURA中はスーパーアーマーがあるため、攻撃を中断される恐れが無い。 見た目通りに攻撃範囲も広い。 AURA時は範囲がさらに広がり、カス当たりもほとんど発生しなくなる。 手持ち版は威力が通常版の最大値と同じなので、常に高い威力を発揮できる。 短所 AURA前の攻撃力は機体負荷の割にあまり高くない。 また、AURA前は上下の当たり判定がやや薄めで、カス当たりも発生する。 通常版はAM固定装備のため、ジーウェイン・アーヴAMかAM5を装備しなければ使用出来ない。 また、内蔵武器と同様に威力が変動するので、常に最大威力になるとは限らない。 手持ち版は装備条件が格闘能力184以上と非常に高い他、ソード系としてはトップクラスに重い。 ディバイド・ブレード系の武器と異なりAURA中のリロード時間は2秒のまま。 ENリカバリーLv2で多少緩和されるものの、あちらの系統の武器よりEN消費が重くなりやすい。 AURAレベルが単体で3増えるため、レベル超過によるチャージ時間増加に注意。 マニモdeガチャの景品であるため、入手に多額のMtがかかる恐れがある。 また、手持ち版はAM1からは作成できないため、ジーウェインSCを当てる必要がある。 コメント ページ作成しました。 -- 名無しさん (2019-01-11 23 35 58) 名前 コメント 誤りの指摘、追加情報など、このページの内容に関するコメントのみお願いします。
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973: 333 :2017/01/02(月) 02 30 42 フローデ達の憂鬱 ビドート アルネージュ ジント・リンは惑星デルクトゥーの軌道上、宇宙港に向けて軌道塔を昇っていた。 周りの人々が彼に注目してきて居心地が悪い。それは彼の恰好が問題だった。 ヤルルーク・ドリュール・ハイダル リン・スューヌ=ロク・ハイド伯爵公子・ジントという長ったらしい正式名称がその服装を彼に強要していたのだ。 伯爵公子とあるようにジントは高貴な生まれだ(ということに7年前なった)。 ナヘーヌ にもかかわらず地上世界などという汚らわしい場所にいるのは、ジントが生まれも育ちも地上だからだ。 といってもこの惑星、デルクトゥーの生まれというわけではない。 フリューバル 7年前、突如マルティーニュはアーヴの大艦隊に侵略された。それも帝国の総力をあげたような規模だった。 マルティーニュ議会は徹底抗戦を叫んだが、ジントの父ロック・リンはアーヴの力に屈した。 勝利の可能性が皆無の抗戦よりも、内部に入り込んで故郷を守ることを選んだのだ。 バール・フリューバル ファピュート 父はマルティーニュが天の帝国の一員になる代わりに自分を領主にすることを要求した。 これは非常な反発を生んだ。故郷の人々は父を裏切者と罵り、自分も白い眼で見られた。 アイプ リューク スィーフ ドリュー またアーヴの側でも論議となった。地上人が士族に叙されることは数あれど、貴族に、それも伯爵になるなど前代未聞だったのだ。 キーヨース スコール アーヴ達の慣習では星系を所領として持つものを貴族としているが、有人惑星を持つものは伯爵以上になるからだ。 スピュネージュ バール・スィーフ 結局皇帝の言葉で要求を容れることになったが、地上人にアーヴ貴族としての役目を果たすことはできない。 セメイ・ソス これは生まれの問題ではなく、育ちの問題だった。単純に所領を運営するだけでも帝国内の交易など、領民政府とは行政の内容も異なる。 ルエ・スィーフ ラブール しかも帝国貴族には軍役の義務もある。これまで星界軍など存在すら知らなかろうとだ。 そのため、新たに伯爵となったロック・リンの息子、ジント・リンはアーヴの一員として最低限の教養を身に着ける ドリュヒューニュ・ヴォーラク べく生まれ故郷から(ジント視点では)遠いヴォーラーシュ伯国までやってきたのだ。 ケンルー 7年かけてアーヴ言語文化学院を卒業したジントは修技館に入学する。アーヴ貴族として軍役の義務を果たすにしても 士官教育は受けなければならないからだ。 サーシュ ゴスク 宇宙港に足を踏み入れると一面の人ごみだった。星間旅行に従士や家臣への就職、移民など地上人にとっても宇宙は 完全に無関係ではない。まあ身近とは到底言えないが。 ラブール ウィクリュール レーヴ ジントは案内人を探して歩き回る。修技館へは星界軍の軍艦に同乗して向かう予定なのだ。当然客船の乗り先しか表示 していない民間の案内板は意味をなさない。 しかし人ごみの中でも彼女は浮いていた。地上人ばかりの中で生粋のアーヴがたたずんでいるのだから目立たない訳がない。 「やあ、君が案内人かい?」 声をかけるとまるで知っていたかのような顔で彼女は振り向く。ジントは思わず見とれた。 青黒い髪。深い水を湛えた瞳。顔だちはおとぎ話のアールヴのようだ。長き時を生き、永遠に若いままの妖精。 「おぬしが地上人のアーヴか?」 声は天上の音色。魔法のように人間を魅了する。 「僕はジント。ジント・リン。君の名は?」 尋ねると胸を張って彼女は宣言した。高らかに、宣託の如く。 「ラフィールと呼ぶがよい!」 974: 333 :2017/01/02(月) 02 32 49 ポーニュ 交通船で移動する最中、ジントは聞いてみた。少し気になることがあったのだ。 「そういえば、君には長い名前はないのかい?」 「なぜそのようなことを訊く?」 少し不機嫌な声色でラフィールは返してきた。個人的なことを訊かれたのが気に食わなかったのかもしれない。 「いや、単純に気になったんだ。それに互いを知るのは仲良くなる秘訣だろう?」 「気になるなどという理由でそのようなことを訊かれてはたまらんな。」 基本的に宇宙船の操舵は自分にはできない。だからジントはラフィールが船を操るのを見ているだけだ。 アルファ キセーグ グーヘーク ラフィールは頭環から伸びた接続纓を背もたれに接続し、制御籠手を動かしている。 ファサンゼール 「…皇族だからだ。皇族に姓はない。」 ジントは答えが返ってきたのにも驚いたが、答えそのものにも驚いた。 アブリアル 「え?学校ではあるって習ったんだけど…たしか天照とか。」 フィズ・アブリアルサル 「よくある誤解だがあくまで天照の一族と呼ばれているだけなのだ。そも姓とは王が民に与えるもの。ならば王やその 一族に姓がないのは自明の理であろう。」 レーフ マルティーニュでもデルクトゥーのアーヴ言語文化学院でもそんなことは習わなかった。地上のアーヴ学校など国民に なるための教育しかしないからそんなものなんだろうけど。 そこまで考えてジントは驚くべき事実に気付いた。 「って、君皇族だったのかい!?…いやだったのですか?これは失礼を…。」 失礼を働いたと思い慌てて訂正するも、ラフィールは言い切るまえに遮った。 ケーニュ・ガレール 「よい。今は飛翔科訓練生にすぎんからな。」 「いえ、しかし…」 「くどい。公私を混同するものなど貴族の風上にも置けんぞ。」 どういうことだろう。礼儀を尽くすたびにラフィールの不機嫌さが増していく。 ジントはすっかり困り果て、ついに黙ってしまった。どうやら自分の試みは失敗したようだ。 975: 333 :2017/01/02(月) 02 34 52 今日も今日とて会合だ。 トセール フローデ レンド 代官からの報告を聞き、提督としての仕事も果たした嶋田を待っていたのは休眠でも安息でもなく頭の痛い転生者との 話し合いだった。 いっそすっぽかすことができれば、とも思うがそうもいかない。特に今日は重要な議題が話し合われるのだ。 スリー 「すみません、遅れました辻さん。」 「いえいえこちらも今揃ったところですよ。…はは、こうしてみるとまるで恋愛小説のようですね。」 「くだらないこと言ってないで始めますよ。」 いつものやりとりをかわしつつ、無意識にレンドは音頭をとってしまう。前世から延々努めてきたが故の悲劇だった。 しかし前世とは違いレンドもスリーも老いることのない、美形ぞろいのアーヴだ。年はとっても若いままの自分たちは ソビーク・リュスボルボルビタ さぞかし絵になるだろう。それが余計にレンドの頭を痛めるのだが。実際今年のコミケ5003にも明らかに自分たち の物が売られていたのだ。 ブルーヴォス・ゴス・スュン 「今日の議題はノヴァシチリア条約機構…四カ国連合との開戦についてです。」 頭を切り替えて出席者を見渡す。重要な議題とあって今日は特に出席者が多かった。 ソード・キクトソクンビナ・ケイク 「ケイシュ193門の位置についてはあたりをつけています。こちらが奇襲を見破っているのを看破されないために リュームスコル・フェブダク ビュール 精確な場所は特定していませんが、当日はフェブダーシュ男爵領付近に艦隊を待機させておきます。」 カーサレラシュ 「よく参謀部を動かしましたね。防諜は?」 スリーが尋ねる。人を束ねるその手腕はさすがのものだ。腐った婦人方に題材を提供しているだけではない。 ラブール 「そちらも万全です。今のところ艦隊の展開を知っているのは星界軍でも極々一部ですよ。」 「それは重畳。ではレンドさん、お願いしますね。」 「わかりました…って、え?」 さらっとスリーに重要な責務を任せられたレンドは思わず聞き返す。なにか聞き捨てならないことを聞いた気がする。 グラハレル・ビューラル クファゼート・ギュンボヴノーラル 「ですから艦隊司令長官ですよ。作戦名は…そうですね、夢幻作戦としましょうか。」 976: 333 :2017/01/02(月) 02 35 52 投稿は以上です まとめwikiへの転載は自由です 977: 333 :2017/01/02(月) 03 10 00 誤字訂正 訊いた気がする→聞いた気がする 誤字修正
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星界の使い魔 0.5 アーヴとはなにか。 機械の部品である。 彼らにとって子供とは交換用部品にすぎない。 自らが摩擦し果てる前に、 機能を引き継がせる対象だ。 では、その機械とはなにか。 『アーヴによる人類帝国』という巨大でしかも邪悪な機械である。 なおその存在を許せば、ついには人類社会がすべて呑み込まれてしまうであろう。 破壊しなければならない。 ―― 『人類統合体』のとある議員の演説より抜粋 名乗ってはみたものの、どうも重大なモノをすっぽりと忘れている様な気がする。 う~ん、もう少しで思い出せそうなのだが―― 「もう一度言うけど、ここはハルケギニア大陸のトリステイン王国のトリステイン魔法学院って所よ」 ラフィールが何か思い出そうと頭を捻っているとルイズが説明しだした。 二人はルイズの部屋へと向かっている途中である。 「トリステイン王国のほかには帝政ゲルマニア、ガリア王国、アルビオン王国、ロマリア皇国などがあるわね」 「ほう、そうなのか」 まずは世界事情をと、ルイズは語り始めた。 ときおりラフィールは魔法のトレーニング中の学生をみては、おーだとか凄いなと呟いた。 「おお!れびてーしょんとやらは何度見ても凄いな!!」 ラフィールの視線の先には、女学生が4階の部屋に文字通り飛び込んで行った。バフッて効果音がしてきそうであった。 「あれは『レビテーション』じゃなくて『フライ』よ、それにあんなの普通なんだからね!」 ルイズは心底悔しがった。自分もフライやレビテーションを使えたら、ラフィールを喜ばす事ができるのに。 それに、憧れの『あれ』、つまり窓の外から自分のベッド目掛けて思いっきりダイブする事ができるのに!! ルイズが色々と説明している内に、ルイズの部屋の前まで着いた。 「あ、言い忘れてたけど魔法を使える者は『メイジ』と呼ばれ、尚且つ『貴族』でもあるの。だからこの学院生と 教師は皆が『貴族』なの。くれぐれも粗相の無いようね?」 ルイズはそう言いながら鍵で自分の部屋の扉を開けようとした。 貴族―― 貴族―― 地上人の貴族―― ・・・・!! 「そうだ、ジント!!」 ラフィールは思い出した。ルイズのその言葉で。 なんでそんな重大な事をいきなり忘れていたのであろか―― くそっ、私としたことが!任務がいかに神聖かを!そしてこれが私の初めての任務だということを!! あの者を!ジントを!リン・スューヌ・ロク・ハイド伯爵公子を帝都に送り届けることを―― ラフィールは走り出していた。自分が目覚めた場所、あの平原へと。 何か手がかりがあるはずだ―― 「あれー?なかなか開かないわね、っと開いた!ラフィール、これが私のへ―― 」 ルイズが振り向く先にラフィールは居なかった。 「あれ、ラフィール?」 ルイズがキョロキョロしていると、モンモランシーが尋ねて来た。 「ルイズ、あ、あなたの使い魔のえ、エルフだけど、物凄い勢いで階段を下って行ったわよ?」 恐怖と不安のさなか、モンモランシーは勇敢にもルイズへ知らせに来たのだ。 「えぇ!?それってどっちの階段?」 「に、西階段の方よ」 「ありがとう、モンモランシー!」 「つ、使い魔くらいちゃんと躾ときなさいよー!!!」 ルイズはラフィールを探しに出かけた。 「はぁ、はぁ」 ラフィールは全速疾走で女子寮を飛び出し、ルイズと共に歩いてきた道を逆走する。 流石に疲れるな―― アーヴは大体において、その一生を宇宙空間で過ごすのである。 アーヴの標準重力は0,9から1『デモン 標準重力 』であり、その標準は大抵の地上世界の半分である。 つまり、今ラフィールは普段より二倍近い重力下の中全力で走っている。 しかし、もともとアーヴの体と言うのは超重力に耐えれるように構想されている。 だが、これがラフィールにとっての初の地上世界なのだ。やはり、慣れないものは疲れる。 「まさか、空気に臭いがあるなんて気づかなかった―― 」 ルイズと一緒に居た時には気づかなかったそれを今感じる。 宇宙空間で過ごすアーヴにとって、空気とは純粋な酸素であり、土や海などの臭いがついていない無臭のことを指す。 もちろん、アーヴは庭園を持つものもいれば、花園を営むものも居る。 ラフィールの住むクリューブ王宮にも立派な庭園がある。しかし、こんなに濃くは無かった。 纏わりつく風が、空気が、草木の香りが、何もかもがラフィールにとっては不快に感じる。 どうもルイズ、あの者の近くに居ると調子が狂うらしい。自分がアーヴでは無いような気がしてくる。 そもそも、私が任務をあんな簡単に忘れるわけがない―― 洗脳魔法の類にでも掛けられたのか?まさかあの使い魔のルーンとかいうのではなかろうな!? 左腕の裾をめくりそれを見やる。 どことなくアーヴ語に似ている文字が刻み込まれている。しかし読めない。 「くっ。まさか、奴隷の印とでも刻まれているのではなかろうな?」 そう思いながらラフィールは目的地まで駆けていく―― 「はぁ、はぁ、何か、何かあるはずだ―― 」 目的の平原についた。日は降り始めている。 「あったぞ!!」 遠くの方で横たわる何かを見つけたラフィールは駆け寄る。 「こ、これは!!はぁ、はぁ」 ラフィールがスファグノーグに着陸する前に用意しておいた緊急避難用バッグだった。 荒い息のまま中身を確認するラフィール。 多数の非常食と凝集光銃の光源弾倉、薬品とちょっとした用具が入ってあった。 「よし!」 これでしばらくは身の危険からは免れると確信したラフィールの歓声。 「とりあえず、もうすこしこの辺で探して見るか 」 黝い髪のアーヴ少女は瞳に希望を宿しながら周囲を探索し始めた―― ルイズは学院内を駆け回った。ラフィールが突然どこかへ行ってしまった所為か、普段の冷静さを失っていた。 ラフィールが行きそうな所を思い浮かべてはそこへ行く。一通り学院内を回り終えたルイズは、 ラフィールが既に部屋に戻っているのではないかと思い、寮へと一度戻った。 しかし、ラフィールはそこには居なかった。寮内にいた生徒にも聞きまわったが返事は皆、知らないの一点張り。 ただ一人、一年生の娘がずっと前に、青い髪のエルフが寮を勢い良く出て行ったのを見たと言っていただけだった。 嫌な予感がした。頭に過ぎるのは、周囲に馬鹿にされ虐げられる自分。 『ルイズ、ゼロのルイズ!!使い魔にも逃げられた、まさに使い魔『ゼロ』のルイズ!!』 しかし、ルイズの妄想はすぐに掻き消された。ラフィールの顔が浮かんだからである。 ラフィールは、ラフィールは私から逃げる様な娘じゃない!! だって、あんなに嬉しそうに名前を教えてくれもの! ルイズはもう一度ラフィールを探しに寮を出る。 ちょうど学生寮を出てすぐ先の噴水の麓にギーシュとケティがいた。 沈み行く夕日をバックに美男子と美少女が優雅に会話を楽しんでいる。 「ギーシュ様、この前のラ・ロシェールでの散歩はとても楽しかったです」 ケティの可愛らしい微笑がギーシュを見やる。 「そうかい、ケティ。君のためなら僕はどんな所だって連れて行ってあげるよ!」 両手を広げてギーシュは叫ぶ。その仕草は正に精錬された舞台俳優の様だ。 「まぁ、ギーシュ様ったら!たとえ嘘でもそのように言ってくださってケティは幸せです♪」 「嘘なもんか!このギーシュ・ド・グラモン、ケティに頼まれれば例え火の中、水の中―― 」 ギーシュがまるでバレエを舞う様な仕草で言っていると、ケティがそっと近づきギーシュの頬に軽くキスをする。 「あ、あの。これも受け取ってもらえませんか!」 キスをした後すかさずケティは言いながらペンダントを取り出す。 「これは?」 頬を少し赤く染めたギーシュが尋ねる。 「はい、我が家に伝わるお守りのペンダントです」 ケティは頬を赤く染めながら言葉を続ける。 「その、は、初恋の相手にこのお守りのペンダントを渡すのが我が家の伝統なんです!!」 カーっと真っ赤に頬を染めるケティをそっと胸に寄せ、それを受け取るギーシュ。 「ありがとう、ケティ。そうだ、僕からも贈り物をあげよう」 そう言うとギーシュは、自分の持っていた少し小さめの造薔薇をケティの左耳付近にそっと挿す。 「とっても良く似合っているよ、ケティ。ペンダントに比べたら大した物じゃないけど、今はこれで我慢しておくれ?」 「そ、そんな!!私は大変うれしゅうございます!」 そんな甘く切ない青春の一ページを二人がしているさなか、 学院中走り回って血走った目をしたルイズが行き荒げに近づいてきた。 「ど、どうしたんだいルイズ!?」 「どうなさったんですか、ミス・ヴァリエール!?」 二人がハモった。 「ら、ラフィール知らない?私の使い魔の・・はぁ、はぁ」 「ひっ」 その血走った目のルイズの顔が恐ろしかったのか、ケティはギーシュの背に隠れてしまった。 「ぼ、僕は知らないけど。ケティは?」 ケティはギーシュの後ろで横に小さく顔を振った。 「そ、そう。あ、ありがとうね。はぁ、はぁ」 日ごろ走ったりしないルイズは、慣れないのに学院中を長時間走り回ってくたくたなのである。 「君の使い魔、え、エルフだっけ?どうしたの?」 ギーシュは、思い出したくない事実を思い出し尋ねる。 「と、突然いなくなっちゃったの。そ、それに誰かが、勢い良く寮を出て行ったのを見たって言ってたわ。はぁ、はぁ」 「あ、それってもしかして使い魔さん、自分が召喚された所に行ったのかも。落し物でもしたんじゃないですか?」 ギーシュの後ろでケティが人差し指を上げて言った。 「「それよ!!!はぁ、はぁ」」 「ひっっ」 ルイズの叫びにまたもやギーシュの背にしがみつくケティにギーシュはおろか、ルイズまでもが『発芽 萌え 』した―― 「そ、それじゃあ、私は行くわね。ありがとね。はぁ、はぁ」 「あ、ああ」 そう言うと、ルイズは走り去って行った。 「『ゼロ』のルイズなだけに、使い魔に逃げられたのかな?」 「もう!ギーシュ様、学友を罵ってはいけませんわ!」 ギーシュの言葉に、頬を拗ねるケティ。 「ごめん、僕の可愛いケティ」 そういうと、ギーシュは軽くケティのおでこにキスをした。 「もう、ギーシュ様ったら♪」 「はぁ、はぁ。ほかに何も見つからぬか」 ラフィールは平原一帯をくまなく探したが、バッグ以外のものは何も無かった。 となると―― ラフィールは平原の西を見やる。そこには森があった。 「いってみるか、何かあるかも知れぬであろ―― 」 ラフィールには、ルイズの元へ帰る気はさらさらなかった。 任務を盛大に妨害された上、変な洗脳じみた魔法を自分に掛けてきたのだ。次に会ったら、タダでは済まさぬ。 そう思いながらラフィールは森へと移動していた。 ラフィールは軍人である。まだ修技生 見習い ではあるけれど。 ラフィールが所属する軍の名は『帝国星界軍 フリューバル・ラブール 』である。 『アーヴによる人類帝国』の軍事力を担うと同時に、政治、行政の大部分を動かす、帝国そのものといえる組織である。 それ故に、星界軍の任務は神聖であるとすべてのアーヴ 星たちの眷属 は心得ている。 では、アーヴ 星たちの眷属 とは何者であるか―― 『アーヴ』という言葉には社会的な意味と種族的な意味の二つの側面がある。 社会的な意味とは、皇族、貴族、士族などの総称を言う。 もう一つは『遺伝的な意味』をなす。それは、『地球人類』を遺伝子的に改良し、宇宙空間での生活に適用させた変異人類を指す。 次に種族的なアーヴの特徴について。 平均寿命は250歳。すべてのアーヴが『青系統の髪』で『美系』かつ『不老』である。 基本的に人工子宮で子供を作る。自然受胎もできるが、遺伝子が大きく改変されている為、約2%の確立で子供に障害が生まれる。 アーヴ以外の種族との間の自然受胎はほぼ不可能である。故に、シエスタ一族がいかに始祖ブリミルに愛されているのかが分かる。 では、アーヴ 星たちの眷属 とはいかにして生まれたのか―― それは、時を遥か二千年ほど遡る。 とある人種が文化の独自性を守るため、小惑星帯に軌道都市『母都市』を建設。 しかし、『母都市』に植民地を探索する必要性が生じた。 対策の一つとして、深宇宙探索が計画され、 探査船の乗員として、予測不能な事態に耐用できるよう人間の遺伝子を元にした『作業生命体』が作られた。 彼らは、人間ではないとされ人類的にはありえない青い髪を遺伝的に与えられ、 『宿命遺伝子』という強い帰属意識を本能に刻み込まれた。それは、本来『母都市』を裏切らないよう刻まれたものだった。 作業体29体を乗せた探査船は出港した。 彼らは探索先で新種の資源『ソード・レーザ』を発見。それを期に『母都市』と決別、のちに『アーヴ』と名乗る。 『宿命遺伝子』は『母都市』にではなく彼ら自身の種族 アーヴ に見事働いたのである。 以後、宇宙を漂流する商人として、アーヴは宇宙を翔けめぐる。 「ラフィール~、どこいっちゃったのよぉ?」 ルイズはうな垂れながら平原を見回す。誰一人としていない。日ももうすぐ完全に墜ちる。 「も、もしかして森の方にいっちゃったのかな?」 トリステイン魔法学院の周りには自然が豊かであった。まさに、山あり谷あり森ありである。 そうした所には、魔物が生息している為、基本的には生徒のみでの立ち入りは禁止されている。 過去、幾度となく禁を破り単独で魔術の素材を集めに行った生徒が二度と帰ってこなくなった事は少なくは無い。 そんな危険な所に、ルイズは己の使い魔を探しに足を踏み入れる―― ペチッ!!ペチッ!!森に中で肌を叩く音が鳴り響く―― 「あぁもお、鬱陶しいわね!!虫多すぎ!!!」 季節はすっかり春なのである。活気の付いた虫たちは、次々と瑞々しい腕をたわわにしたルイズの血液を吸おうと集ってくる。 「いいかげんにしてよねっ!!!」 パチーーン!! ルイズはとうとう集ってくる虫たちに我慢が出来なくなり、思いっきり自分の腕を叩いてしまった。 「「痛っ~~~~~~~~~~!!」」 その痛みで思わず叫ぶルイズ。しかし、そのおかげで冷静さを取り戻す。 すぐに周囲の異変に気が付いた。 「・・・・?」 周囲を見渡しながら、耳を澄ますルイズ。 ところで、ルイズは魔法が使えない事以外は、まさに淑女の中の淑女である。 趣味は、鳥たちが奏でる唄と共にお茶を頂くのが近頃のお気に入りである。 学院内で他の生徒たちに虐げられ、挫けそうになったり、泣きそうになった時は必ず、学院の敷地内にある ルイズの秘密のお気に入りの場所、一本の大きな木がある丘へ行く。 その一本の大きな木には、なぜかいつも鳥たちが居て、綺麗な声で囀っているのである。 その囀りを聞きながらルイズは、心を癒していく。 お昼の後の、大好きなクックベリーパイと紅茶をその丘で頂くのがルイズにとっての幸福な時間なのであった。 しかし、そんな所にルイズが居ることを他の生徒たちにバレないはずがなかった。 ギーシュを含む、数人の男子が噂を聞きつけ、ルイズをからかいに行ったことがあるのだが、 おいしそうにパイと紅茶を頂きながら、目を閉じ、鳥たちの囀りを楽しんでいるルイズの幸せそうな姿を見た時、 彼らは思ったのである。せめて、せめてこの時間ぐらいは、この麗しい淑女をそっとしておこうと―― あるていどしてからルイズは気づいたのだが、日によって木に止まっている鳥たちの種類が異なっているのだ。 それからルイズは鳥に興味を持ち出し、鳥たちについて調べるようになったのである。 学院が長期の休みになると、かならずルイズは鳥観察の旅行に出た。もちろん、一人ではない。 貴族たちの中にも、鳥観察を趣味とした者は多い。その趣味を皆で分かち合う為の組合があり、そこでささやかな ツアーが開催されているのである。ルイズはそのツアーへ休みごとに参加するのであった。 しかし、鳥たちの観察というのは控え身に言っても子供の趣味ではない、隠居した貴族やお年寄りがもっぱら楽しむのであると―― ルイズはいつも、ツアーでは最年少であった。しかし、ルイズは孫又は娘のように、皆から親しまれた。 そして、いろいろと熱心に励むルイズに人生の先輩方は、優しくいろいろとルイズに知識を施していった。 そうこうしている内に、ルイズは鳥に関しては学院一詳しいといっても良いほどにまでなった。 その知識が告げる。何かがおかしいと―― どうやら鳥たちは威嚇をしているようだ。 ガサガサと草たちが擦れ合う音が聞こえてきた。しかも複数。 バサバサバサバサ―― 鳥たちがもうすぐ完全に日が暮れる夕日に向かって一斉に飛び出した―― そして、ルイズを取り囲むように無数の陰が現れた。 オーク鬼である。その数、3。 ルイズは驚いた。まさか本当にオーク鬼が学院の近くの森に生息していることに。 教師たちが生徒を行かせないように吐いた狂言ではなかった事に。 3匹はじりじりと前方から寄ってくる。 ルイズはギュっと自分の杖を握り締めた。 いいじゃない。やってあげるわよ。このルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが!! ラフィールを、ラフィールを見つけるまでは死ねない!! ルイズはすばやくルーンを呟く―― 『ふぁいあーぼーる!!』 ちゅどーーーん!!! 中央のオークの上半身が爆発した。破片が周りの木や草の飛び散る。 「やった!成功って、してないじゃない~~~!」 一瞬、ファイアーボールを放てたと思ったルイズが叫ぶ。 まぁ、この際失敗魔法でも敵が倒せるならなんでもよかった。 残る二匹のオークは一瞬うろたえた。今までに見たことが無い魔法だったからである。 オークたちは冷静さを取り戻し、すぐさまルイズに向かって突進する。 しかし、ルイズはその時すでに次の詠唱を終えていた。 『えあ・かったー!!』 ちゅどーーーん!!! 両方のオークの下半身が吹き飛んだ。今度は密集していたせいかまとめて倒せたのである。 「も、もしかして、私って強いのかな、かな!?」 ルイズは喜んだ。自分の失敗魔法が実は結構強いのではないのかと。 そして、さすがルイズ、今の二回で自分の魔法の特徴について気づく。 『どんな魔法を唱えても同じ爆発が起こる』というのは、学院に居たうちから把握していた。 しかし、今それ以上の事にルイズは気づいたのである。 ファイアーボールとエア・カッターとでは、若干後者のほうが詠唱は短いのである。 この二つの意味するモノとは、つまり詠唱の短い魔法でお手軽殺傷魔法が使えるということなのである。 でも、やはり失敗魔法は失敗魔法である。恥ずかしい。特にラフィールには知られたくない!ルイズは思うのであった―― ガサガサガサガサ 「あ・・・・・」 今の爆音で他のオークを引き寄せてしまったようである。 しかし、ルイズはにやりと微笑む。己の自信がそうさせるのである。 「さぁ、狩を始めるわよ・・・!!」 「やはりというか、何も無いな―― 」 ラフィールはそろそろこの森に見切りをつける所であった。 ちゅどーん・・・ 「ん?」 遠くの方でなにやら大きな音がした。 ラフィールは凝集光銃こそ手にしなかったが、周囲を探る。 この『周囲を探る』とは、文字通り周囲一体を感知することである。 『アーヴ』には、先ほど説明したものの他に、もう一つ、地上人とは違う物を持っている。 『空識覚 フロクラジュ 』である。 それは『空間』というものを直接的に把握する。それが『空識覚 フロクラジュ 』であり、アーヴ以外の人類には無い『領野』である。 そして、『空識覚』に必要なのが『頭環 アルファ 』である。ルイズが、変わったサークレットだと思っているあれである。 『頭環』は『個人用全周囲探知機』つまり『全周囲レーダー装置』となって装着者の周囲を探るのである。 「ふむ、なにも怪しいものは無しか」 あるていどの周囲を探ると、ラフィールは止めた。 やはり一度、学院に戻るべきなのであろか?『オーニュ バカ 』、戻ったらこんどこそ完全に洗脳されるであろ―― ラフィールは静まり返った夜の森の奥へと進んでいく。 進んでいく中、多数の爆発音が聞こえた。 ラフィールは少し恐怖に似た感情を抱いていた。 この森に入って、かれこれ数時間―― 小動物以外、何とも出会っていなかった。 そこに、急に爆発音が度々聞こえて来るのである。恐怖を抱かないほうが尋常ではない。 まさか、私を追ってメイジどもが来たのか?否、それなら爆発を起す意味が分からない。 となると、未知の生物とやらか? 「ふん。アブリアルたる者が己の想像した未知の生物に怯えるだと?馬鹿馬鹿しい」 ラフィールはそう言い切ると、のしのしと歩いていった。 ―― たす・・・・て―― 「ん?」 突然頭の中に女性の声が聞こえた。 ―― ラフィール、助けて!!―― 「ルイズ!?」 こんどははっきりと聞こえた。 自分の主だと言い張る少女、ルイズの声だ―― ラフィールは走っていた。本能に従うまま。左裾のしたのルーンが光っていることには気づいていない。 まさか私は、声の主、ルイズを助けに行こうとしているのではあるまいな? 走りつつもラフィールは思う。 馬鹿な、あの者は私の任務を遂行不可能にしてしまったのだぞ。報いを与えるのならいざ知らず、助けるなどと。 ―― 助けて、ラフィール!!!―― ああ、もうじれったい!!助ける、助けるから叫ぶでない!!! ラフィールの意思が固まった。その瞬間、いままで以上の速さで走り始めていたことにラフィールは気づかなかった―― 「ロック!」 ちゅどーーーん!! 「ロック!ロック!ロック!アン・ロック!!!」 ちゅどーーーん!!! ちゅどーーーん!!! ちゅどーーーん!!! ちゅどーーーーーーーん!!! ルイズは走りつつ、迫り来るオークの群れに魔法を放っている。 「うぅ、なんでこんなに居るのよ~~~」 ルイズは既に10体以上は倒している。しかし、次から次へとオークはやって来た。 走りつつ、ふと気づく。オークは周囲に居なかった。 「はぁ、はぁ、も、もしかして全滅させた!?やった!私って意外とやるじゃないルイズ?はぁ、はぁ」 ルイズは心身ともにくたくたである。その場にへたれ込んだ。それもそのはず、ロックを、失敗魔法をかれこれ十数発 は放ったからである。これが並の生徒なら、とっくのとうに魔力が枯渇してオークの晩餐になっていたに違いない。 ルイズは、己の失敗魔法は『ロック』で発動させるのが一番だと判断したのである。 最初は詠唱の短い『エア・カッター』を唱えていたのだが、自分がコモンマジックも使えないことを思い出し、 『ロック』で発動させるようになっていた。無詠唱のコモンマジックはまさにルイズにとってはうってつけなのである。 ルイズは完全に油断しきっていた。己がオークを全滅させたのだと。のほほん顔で座っていた。 「グギャーーーッ!!」 背後から突然雄たけびが上がる。ルイズは振り向く。 「ええ!?そんな、大きすぎ―― 」 バンっ!! ルイズは薙ぎ飛ばされた。軽く10メイルは吹き飛んだが、草木がクッションになり辛うじて立ち上がれる。 ルイズの目に映るものは、さっきまで相手をしていたオークよりも倍ぐらいあるオークだった。 「ッ、杖が・・・・!!」 飛ばされた時に手放してしまった杖は、巨大オークの後ろに落ちていた。 人語を理解できるのか、巨大オークはその凶悪な顔をニヤリと綻ばせ、ルイズを見やる。 メイジは杖が無ければどうしようもなかった。ましてやルイズは体術の心得も無くば、普段あまり運動もしない女の子である。 恐怖と絶望がルイズの心を支配する。 一歩ずつゆっくりと巨大オークはルイズに近づいてくる。その凶悪な歪んだ顔をニヤつかせながら。 「あ、あぁ・・・・!!」 ルイズも巨大オークの動きに合わせて、そのおどけない足取りで一歩ずつ下がる。 なんで私はこんな森へ一人で来たのだろう?後悔がルイズの頭に過ぎる。 「ら、ラフィール・・・け・・て」 そうだ、私はラフィールを、さっき召喚した使い魔のラフィールを探しにきたのよ!! 「助けて!ラフィール!!」 ルイズは叫ぶ。 そうよ、ご主人様をほったらかすなんて使い魔として最低よ、ラフィール! 使い魔たる者、主人の盾となり剣となって守り通すのが筋ってものでしょ!あとできっちりと躾けてやるんだからね! そう思っている内に、とうとう巨大オークが目の前まで詰め寄ってきた。ルイズの背に木が当たる。 あぁ、やっぱし私が不甲斐ない『ゼロ』だからラフィールは離れていっちゃったのかな。 「グギャゥオォー!!」 巨大オークの口が大きく開いた。涎が辺りを飛び散り、ルイズの顔にもついた。 あぁ、私は食べられちゃうのか。せめて最後にもう一度だけ、ブルドンネ街のパン屋のクックベリーパイが食べたかったな―― 「グギャゥォォォ」 大きな口が近づいてきた。息がルイズに降りかかる。臭い。凶悪な歯が不気味に光っていた。 「ら、ラフィール・・・・」 ルイズが覚悟を決めたさなかであった。 「ルイズ!!そなた無事か!?」 ラフィールが茂みから飛び出してきた。 「ラ、ラフィール!?」 ルイズは、自分が持てる精一杯の笑顔で答えた―― ラフィールはルイズと会った瞬間悟った。 やはり、この者の顔を見ていると心の中の怒りが消えていく―― だが、今はそんなことはどうでもいい。目の前の、ルイズが、無抵抗な者が殺されるのを黙って見ているほど私は愚かではない! 一瞬ラフィールに気をとられた巨大オークに向けて、ラフィールは素早く凝集光銃を腰から抜き取ると撃った。 『ガンダールヴ』の効果が発動する前に凝集光は放たれた。 一条の光の線が巨大オークに向かって伸びている。 巨大オークは一瞬たじろいだが、なんともなかったかの様にすぐさまルイズに向けて口を広げた。 「な、何!?」 「ええぇ!?嘘、なんとも無いの?嫌、死にたくない!!こんなの嫌!!」 続いて、『ガンダールヴ』の効果によりラフィールの頭に凝集光銃の情報が送り込まれる。 そう、凝集光銃の安全装置は『照明』モードになっていたのだ。 迂闊だった―― まさかこんなことも忘れていようとはな!クソ、間に合わない!! そう思いつつも手は『照明』モードから『射撃』モードへ切り替える―― その時、ラフィールの『空識覚』にとある影が過ぎった―― くそ、敵の増援だとでもいうのか!?ルイズ、ルイズ!!そなたを失いたくない!!! 巨大オークがまさにルイズを噛み付かんがばかりに首を振るう瞬間―― 「ギュウワァォォォォォォォォーーーっ!!!」 突然巨大オークの巨体を炎が纏う。それは、まるで炎が大蛇の如くオークの巨体をとどりき蠢いた。 ルイズは急いでその場から離れてラフィールに近づく。 間髪入れぬ間に、巨大オークの巨体は意識を失いルイズの居た場所に倒れこんだ。 「みなさん、無事のようですね!!」 コルベールがきょとんとしている二人の間に走りよってきた。 「いやぁ、間に合ってよかった!学院中を走り回るミス・ヴァリエールの話を聞いていたのですが、 夕食にも現れないあなたを気にしてかミス・ツェルプストーが私に知らせてくれたんですよ」 キュルケが?あのツェルプストーが私の心配?ルイズが疑問を抱く中、コルベールは続ける。 「それでミスタ・グラモンに聞いてみたところ、どうやら儀式をした平原に向かったらしいと聞いて、 そこに行ったのですが、案の定そこにはおらず、まさかと思い森へ探しに来たんですよ」 ルイズとコルベールが会話をしている中、ラフィールは巨大オークの燃え盛る体を見つめていた。 正確には、その燃え滾る爆炎を見つめていた。凝集光銃を持つ手のルーンは袖の下で光っていた。 ふと、ラフィールの意識が闇に墜ちる―― 『アーヴ』は、自らの青い髪を『原罪』又は『奴隷の烙印』と呼ぶ。 では、なぜアーヴはその烙印をいまの現在まで引き継いでいるのか―― それは、アーヴが『母都市』から決別した時まで遡る。 彼ら アーヴ は怖れたのである。『母都市』から懲罰隊が送られ、自分たちを滅ぼすのだと―― 彼らは武器を造り、人口を増大しつつ、船を改装し軍事力の向上を試みた。 独立後、数百年ほど立ったころである。彼ら アーヴ は決断したのである。母都市に戻ることを。 しかし、ただ戻るのではなかった。己らの不安と恐怖を取り除くために戻っていったのである。 ラフィールの視界には、一人の女性と通信端末から映し出される画面上の老人が映った。 彼らが誰であるのか、ラフィールは悟った。 『ガンダールヴ』のルーンが、ラフィールの遺伝子に宿る古の記憶を映し出しているのであった。 目の前にいる、長い黝い髪に漆黒の瞳をしたどことなく自分に似た女性は『船王』である。 彼女が後のアブリアル一族であり、アーヴ帝国を束ねる皇族の先祖でもあった。 そして画面に映るのが、突如帰還した彼ら アーヴ に対応している『母都市』の移民局長であった。 ラフィールは二人の会話を見て思った。この二人のやり取りはまるで、父つまり『移民局長』が、娘つまりは『タマユラ』 を諭すような、親が子を思うようなやり取りであると。 船王自信も、好意と受け止めていた訳ではないが、嫌ではなさげであった。 一旦通信は打ち切られしばらくすると、『母都市』を仕切る『評議会』が通信をしてきた。 評議会は移民局長は職分を超えていると判断したのだ。 通信してきたのが移民局長でないと知るや否や、すこし寂しげな表情をした船王をラフィールは見逃さなかった。 これは母都市と彼ら アーヴ の外交交渉であった。 交渉とは、まず要求から始まり譲歩、つかみ合いがありつつ、妥協点へと進めるのが普通である。 しかし、彼ら アーヴ にはかけひきなどの懸念がなかった。 交渉は打ち切られ、彼ら アーヴ は母都市と戦った。 戦闘はあっという間に終わった。 母都市はほとんど無防備で、彼ら アーヴ はとてつもなく強力だった。 五十万の母都市に暮らす人々は、何が起こったのかも分からないまま宇宙の塵へと変わっていたった。 母都市には、抵抗できる力は無かった。彼らは、戦争をとっくに歴史上の概念にしていたのである。 無防備に爆散していく母都市を見て、彼ら アーヴ は初めて気づくのである。 妄想的な恐怖から、実に子供じみた短絡的な行動を取り、多くの命とそこに積み重なった歴史と文化を 一方的に葬りさってしまった罪を。そして、自分たちがいかに母都市を、『故郷』深く愛していたことに―― 彼らはその時に、『母都市』の言葉で『天 あま 』つまり宇宙を意味する言葉で呼ぶようになり、 それが何時しか、『アーヴ』と変化していった。船王には天の神、『天照 アマテラス 』の称号が贈られ、 それが訛り『アブリアル』へとなった。そして、彼女の子孫たちはアブリアルの一族と名乗る。 アーヴ 彼ら はこの日から誓った。母都市の意志を引継ぎ、母都市の『文化の守護者』となり、 その言葉や風習を守り続けることを。そして『青い髪』を、『原罪』を持つ罪人であることの証を持ち続けることを。 船王の横でラフィールも爆散する母都市を見つめていた。 裾の下に隠れたルーンの放つ光が強くなる。 ラフィールは消えつつある意識の中、散逸していく母都市に涙した―― 『アブリアルは泣かない』 アーヴなら誰もが知っている言葉だ。 冷酷なるアヴリアル 、 非情なるアヴリアル 、アブリアルは親しい友や恋人を死の手に攫われようとも、眉一つ動かさぬ。 アブリアルの一族が築き上げてきた悪名からそう、いつしか言われる様になっていった。 しかし、本当は違う。皇族たるもの、その涙を個人に向けてはいけないのである。 涙を向ける先は、帝国であり、そしてその帝国に住まうすべての者に向けなければならない。 しかし、ラフィールは涙した。己の故郷、帝国ではない『故郷』に―― そして、身体の奥底に刻まれている『宿命遺伝子』は、ルーンにより掻き消された―― ラフィールの意識は再び闇に墜ちた。 ・・・・ル!!ラフィ・・ル!! ハッとラフィールの意識が戻る。巨大オークは燃えカスも残っていなかった。凝集光銃は腰に収まっていた。 「ラフィール、大丈夫?さっきからぼーっとしてるけど」 今のはなんだったのだろう。なぜ私はあのようなものを見たのであろか? 父上に以前、聞かされた話であるのは確かなのだが、あんなに詳しく見るなんて、夢だったのか? そう思いながら左袖を上げる。どうやらルーンは光ってはいないようだ。 「うん、大丈夫だルイズ。心配するな」 ラフィールはルイズに返事をした。 「でも、ラフィール泣いてるわよ?」 「え?」 自分の手で確かめる。指が濡れた。確かに泣いていたようだ。 「はい、これで拭いてね」 ルイズはハンカチをラフィールに渡す。 「ありがとう」 「それからね、ラフィール」 受け取ったハンカチで涙を拭うラフィールは返事をした。 「ん、どうしたのだ?」 「助けに来てくれて、ありがとう!!!」 ガバっと抱きついてくるルイズにラフィールは困惑した。 「ル、ルイズ!離すがよい!!私はこのような趣味は無いぞ!?」 口ではこう言うものの、満更でもない微笑を浮かべるラフィール。 二人の様子を見守っていたコルベールだが、この様子に彼は『発芽 萌え 』した―― 「あー・・・コホン。それでは学院に戻りましょうか、ルイズさん、それに、えーと―― 」 「ラフィールと呼ぶがよい」 「じゃあラフィールさん。では行きましょう」 歩き始めるコルベール。あれ?飛ばないのかな、と思うルイズであった。正直、すごく疲れているルイズは、 コルベールがてっきり『フライ』で部屋まで送ってくれるものなのかと思っていたのだが違った。 ま、まぁ、私が『フライ』を使えないことがバレちゃうよりは良いか! そう思うルイズは隣で歩いているラフィールに話しかけた。 「こんどの休日に武器買ってあげるわね。いくらなんでも、あの光を出す玩具じゃ敵を倒せないでしょ?」 コルベールの耳がピクっと動いた。 そう、この男コルベールは、ラフィールが持つ光の線を出す道具の事を詳しく聞きたくて、わざわざ歩きを選んだのである。 いつ、その道具の話を切り出すか様子を伺っていた。禁を破って森に来たことも咎めずに。その矢先のルイズの言動である。 「ん?これは玩具では無いぞ。れっきとした兵器だ」 そう言うと、ラフィールは瞬速の速さで凝集光銃を抜き取り、近くの岩に向かった撃った。 一条の光が走ったかと思うと、岩が小爆発し、吹き飛んだ。 「「えええええーーーーーーーーっっ!?」」 ルイズとコルベールがハモる。 ラフィールはそそくさと、凝集光銃を腰に戻す。まさに武器の情報が流れてくる瞬間である。ルーンの光は裾の下に隠れていた。 「そ、それって何!?銃なの!?」 ルイズは心底驚いた。玩具だと思っていたそれは紛れも無く凄い物だったからである。 「うん、凝集光『銃』だ」 さも当然の事かのように言うラフィール。 「ぎょうしゅうこうじゅう?」 「凝集光銃?」 ルイズとコルベールが再びハモる。 「ラフィールさん、詳しく教えてくれせんか?」 いつの間にかラフィールの真横にコルベールはいた。その顔は真剣そのものである。 なんてったって、魔法も使わずに爆発を起せたのである。彼の研究を大きく発展させるかも知れないのである。 そこから、ルイズは置いてけぼりになっていった。なんでラフィールも楽しそうに会話をするかなぁ。 『ゆうどうほうしゅつ』やら『はんてんぶんぷ』、『まいくろは』など意味不明な言葉がラフィールから放たれるごとに、 ルイズの頭の上には『?』マークが浮かび出ては、面白い呼び名だなーとか、お腹すいたなーとか思うのであった。 一方コルベールは、奇声を上げながらラフィールに詳しく説明を求めた。 ルイズにとってはとてつもなく長く感じ、コルベールにとってはまさに一瞬といって良いほど短く感じた徒歩での帰還を終えた。 学院に着いたのだ。これで、やっとこの会話が終わる!ラフィールとお喋りできる!と思っていた矢先、 なぜかコルベールが寮まで付いて来た。 ルイズが恐る恐る尋ねると、案の定。コルベールは私の部屋に今夜、泊り込みでラフィールから『かがく』について教わる気で居るらしい。 ルイズが『丁重』にお断りするも、なんとコルベールは子供の様に駄々をこね始めた。 ルイズが吹き飛ばしてやろうか、と思ったとき、ミス・ロングビルが現れた。 「ここは女性専用ですよ?ミスタ・コルベール」 そういうとコルベールの耳を引っ張りながらミス・ロングビルはどこかへ行ってしまった。 その二人を笑いながら見送るルイズとラフィール。 「ああいう教師は新鮮だな!」 ラフィールはコルベールをこう評価した。 自分の部屋にたどり着く間に、使い魔についてみっちりルイズは言うのであった。 やれ、使い魔は主人に黙ってどこかへ行かない。 やれ、使い魔は主人の傍を離れてはいけない。 やれ、使い魔は主人を一人にしてはいけない。 さっきの出来事をほじくり返すようにルイズは言う。 ルイズは、それらを言うたびに頬を膨らました。 ラフィールはそれらを言われるたびに、許すがよい、と言う。 そうこうしている内に、ルイズの部屋へと到着する。 ルイズは、ラフィールの手を繋ぎながら鍵を開ける。念のためであった。今度は逃がさないわよ!? 「ようこそ、私の部屋へ!」 「ほう、広いのだな」 ルイズの部屋は、ラフィールが過ごした修技館の部屋より大きかった。 「まあ、座ってよ」 「うん、失礼するぞ」 ラフィールを座らすと、ルイズは部屋を見渡す。 水差しとパンが置いてあった。使用人の誰かが気を使わせてくれたのであろうそれをラフィールに差し出す。 そして自分もラフィールのテーブル越しに座る。 やっとラフィールとお喋りができる―― ラフィールがパンを口に運ぶ。それを見つめるルイズ。 ―― 「それにしても、これはおいしいな」――
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R5-049 コモン 国力増強 サプライズ 消費チップ2 使用タイミング:自・敵侵攻フェイズ中いつでも 絵/アーヴ・ゾンビ・ガーゴイル イラスト/ボンジュール・Tuqi 使用済みチップ4枚を自未使用チップ置き場へ置く。 使用後、このカードが戦場外に置かれたとき、自分の手札が7枚以上ある場合、手札に戻る。 この名称のカードは1ターン中に1度しか使用できない。 使いにくくした国力回復。使用タイミングに注意。 手札が多くないと効果を発揮しない。 自ターンで有効活用するには、イラストに描いてあるとおりアーヴ、ゾンビで手札の上限を増やしておきたい。 このカードが複数枚手札に来ると有効活用しにくいのもネックか。
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113: 333 :2017/01/03(火) 19 59 46 フローデ達の憂鬱 ポーニュ 交通艇の中、無言の空間にいたたまれなくなったジントはついに口を開いた。 「その…ラフィール…さん?」 なんと呼ぶか迷ったあげく、無難な話し方にした。ラフィールが返してくる。 「どうした?リン。」 彼女は何事もなかったかのような顔をしているが、その声音にはどこか失望したかのような響きが含まれていた。 しかし話しかけたはいいものの、何も考えていなかったジントは何を言うか迷ってしまう。 「船を操舵するってどういう感覚なんだい?」 結局口から出てきたのはそんな言葉だった。 「どうと言われても説明できんな。おぬしは体の動かし方を説明できるのか?」 無言の空間で男女二人きりなどという苦痛から逃れる光明を見出したジントは会話を続けるべく言葉を繋ぐ。 グーヘーク 話している間も彼女の制御籠手は寸分の狂いもなく動かされていた。 「僕は生まれながらのアーヴじゃないから…。でも体を動かすのは楽しいよね。」 デルクトゥーの学校でもミンチウを嗜んでいたジントは思わずそうこぼす。彼はあの球技が好きだった。 メーニュ 「同意だ。アーヴシュルは空間種族だからな。生身でいるよりも宇宙船を操っているほうが自然なのだ。」 不意に殺風景だった船内の映像が切り替わる。全周囲が船外を映し、まるで自分が宇宙のただ中に浮いているような感覚だった。 そんな不可思議な思いに捕らわれていられたのもつかの間だった。強烈な加速がかかり、全身が座席に押し付けられ、 巨人に押しつぶされるように圧迫されてしまう。 フローシュ リルビドー ダテューキル 「空識覚器官と航法野を持って生まれてよかったと心底思うぞ!人類統合体のように思考結晶で動かすのは味気ない。 フロクラジュ グーヘーク 空識覚と制御籠手でなければな!」 アーヴ 好きなことを話していて興奮してきたのだろう、ラフィールは無重力と高加速の中で黝い髪を靡かせ天を駆っていた。 セーク・オーティ・アーヴ 他者を振り回して自由奔放に振る舞うその様はまさしく天駆ける迷惑。 あとから思えば邪魔するべきではなかったが自分の体重が数倍になって四方八方から襲い掛かってくるのに 耐えきれなくなったジントは歯を食いしばりながら叫んでしまう。 「わかった、わかったから!もっとゆっくり動かしてくれ!」 その言葉にようやく我に返ったラフィールは絶え間なく動かしていた制御籠手を緩める。 ようやく一息ついたジントにラフィールが話しかけてくる。 「すまぬ。少し興奮していたようだ。」 あれで少しだって?ジントはそう言いそうになったが何とかこらえる。 「楽しんでくれたようで何よりだよ。でも次は同乗者のことも考えてくれると嬉しいな。」 宇宙船を操舵するには高度な情報処理能力と精密な制御が必要になる。人間でそんなことができるのはアーヴだけだ。 フローシュ アルファ 空識覚器官を頭環につなぎ、センサーやレーダーからの情報を感覚として受け取る。それを航法野で処理し、無意識の うちに軌道計算までこなしてしまうのだ。 キセーグ 頭環から制御纓を伸ばして接続すれば宇宙船のセンサーを自身の感覚器官にできる。 さらに制御籠手を嵌めた手を動かすことで艦を加速減速、姿勢制御して自由自在に宇宙船を動かすのだ。 それはアーヴだけに許された特権だ。自分だって頭環は持っているが、あくまで儀礼用のものに過ぎない。 「それは残念だったな、次などないぞ。もう少しで目的地に着く。」 ジントが言われて見上げると巨大な船があった。 レスィー 巡察艦ゴースロス。これからジントとラフィールが乗り込む船だった。 114: 333 :2017/01/03(火) 20 01 38 ガホール ゴースロスに着艦した交通艇から降りたジントとラフィールは艦橋に赴く。 フェクトダイ 「ラフィール列翼翔士、ただいま帰還しました。」 ラトーニュ マノワス ラフィールが人差し指と中指を頭環に触れさせるアーヴ式の敬礼をすると、戦闘指揮卓にいた艦長が振り返る。 まるで知っていたかのようだ…そこまで考えてジントは思い至った。空識覚で自分たちを捉えていたのか。 アーヴは空識覚器官を頭環に接続することで機械を感覚器官とすることができる。故に目が向いていなくても、 障害物で遮られていてもある程度は周囲を把握することができる。要は頭の後ろに目がついているようなものだ。 「ご苦労。訓練生には出発時刻まで待機を命じます。」 どこかラフィールに似た女性は答礼を返すと、今度はジントに向き合った。 「そちらが客人ですか。私はレクシュ・ウェフ=ローベル・プラキア。」 キレーフ・エンピュカ・ロム ローフ ワリート ローフの金瞳でジントを見据える。輝くような金色の瞳は氏の家徴だった。 ヌイ・アブリアルサル レンド ビジュ・セム・レンダル アーヴにはそれぞれ家徴というものがある。ラフィールならば天照の耳、音に聞く嶋田なら嶋田の水髪というように。 「僕は…えっと。」 ここにきてジントは自らがなんと名乗るか迷ってしまった。 スィーフ ウィクリュール 正式名称には貴族としての名が含まれる。しかしここは軍艦、軍人として接する相手に貴族として名乗るのは無礼だと思ったのだ。 「リン・スューヌ=ロク・ジントです。」 アーヴとしての名を称号抜きで名乗ることにした。しかしレクシュはそんなジントのことなど気にしていないようだ。 「結構。客人には居住区で待機願いたい。ラフィール列翼翔士は…。」 目を向けられたラフィールは背を正して命令を待つ。 「そうね。客人の案内任務を継続します。」 命令を下されたラフィールは、しかし不満を露わにした。 「艦長!私は…。」 「こんな任務よりもっと困難な任務ができる、と?」 そこでレクシュは一呼吸置いた。 「あまったれないで。たとえどんな任務だろうとそこに上下などないわ。そしてこれは上官からの命令。おわかり?」 言いくるめられたラフィールは、しぶしぶといった様子で返す。 「了解しました。」 115: 333 :2017/01/03(火) 20 04 26 巡察艦は巨大である。 イルギューフ ヴォークラーニュ ルニュージュ ホクサス 主力兵器の電磁投射砲に加えて凝集光砲、反陽子砲。さらに機雷まで積んでいる。 その分強力な戦力なのだが、運用に多くの人員が必要なのも確かだ。 ラブール サーシュ 故に巡察艦には、いや巡察艦に限らず星界軍の軍艦には大量の従者がいる。 ナヘヌード レーフ セメイ・ソス フリューバル 大気圏を抜け、こうして宇宙で働く地上世界出身者は国民と呼ばれ、領民政府ではなく帝国から直接の庇護を受ける。 ジントが通っていたアーヴ言語文化学院も、そうした進路を希望する生徒のためのものなのだ。 行く先々で会う髪の青くない人々を見てジントはそのようなことを考えていた。 「その…なんだ。暇なのか?」 呆けているとラフィールが話しかけてきた。 「なんだい?君から声をかけてくれるなんて珍しいね。」 「客人を案内するのが私の任務だからな。手を抜くわけにはいかぬ。」 先ほどレクシュに言われていたことなのだが、ジントはそこを指摘しないことにした。短い付き合いだが、彼女との 交流の仕方がわかってきたのだ。 「ありがとう。そうだね…外を見たいかな。」 クリューノ ジントが言うと早速ラフィールは端末腕輪を操作して外の景色を映す。 目に飛び込んできた映像は彼の想像とは大きく違っていた。 「うわぁ…これは…すごいな。」 ゲーサル・ヴォーラク ヴォーラーシュ神社の威容がそこにあった。 ソード 中央に光る球体が浮かんでいる。あれが門だ。 その周りに無数の建造物が寄り添っており、さらに外側には紐で繋がれた赤い二重円が連なっている。 「あの赤いのと紐みたいなのは何だい?」 訊くと、ラフィールはどこか誇らしげに答えた。 レール リムダウ 「赤い二重円は鳥居というもので、神々の領域の入口であることを表すものだ。紐の方は注連縄といって、神の依代 であることを表すものだな。」 1セダージュ 距離感が狂うが門は直径1000kmである。それを取り囲むのだから並大抵の大きさではない。 ハイドから来るときに一度見た光景のはずだが、何年も前のことであるのに加えて解説が加わるとまた感慨深い。 「アーヴは人類社会でも特に古い文化を持つのだ。これもその一つだな。」 「たしか現代に残る唯一の原始宗教だっけ?」 ラフィールは少し憮然とした声音で答える。 「原始とはひどい言いぐさだな。古代宗教と呼ぶがよい。」 彼女の言う通り、アーヴは現存する世界最古の国家だ。そして世界最強の国家でもある。少なくともここ2000年は。 アブリアル ディング ガウネーク 「5000年前、太陽の女神天照の孫、ニニギのそのまた曾孫神武皇帝が即位した。それが我らの始まりだ。」 ラフィールの話す内容は帝国内では一応事実として教えられている。 ナヘーヌ これは帝国が地上世界に口を出しているのではない。事実が何なのか、確認する術がないからだ。 すでにアーヴの、そして人類の故郷は失われてしまっている。 アーヴが神の子孫を自称しても、それを否定する材料がない以上彼らの言を信じるしかないのだ。 セメイ・ソス もっともこれには自国の民にアーヴへの反抗など考えてほしくない領民政府の意向もあるのだが。(というよりそちらが主だといえる) ビク・サニャール 「神道はその頃からの伝統なのだ。注連縄も鳥居もそのためのものだな。」 いつの間にか鳥居を抜け、ゴースロスは門に入ろうとしていた。 ファーズ 『これより我が艦は平面宇宙に入ります。ご注意ください。』 フラサス 時空泡が展開され、周囲が灰色に染まる。 わずかな加速度と共に、ジントとラフィールの乗る巡察艦は門に入っていった。 116: 333 :2017/01/03(火) 20 05 31 投稿は以上です まとめwikiへの転載は自由です